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起業した理由のランキングと理由ごとの注意点

貴方が起業を考えている場合、「自分が起業しようとしている理由は正しいものなのだろうか」や「自分みたいな起業動機で、ちゃんと成功できるのだろうか」などと悩んでしまう事があるかもしれません。

起業相談を受けていても、そのような心配をされている方は少なくありません。

結論から言えば、理由や動機が問題となって、起業が失敗するような事はほとんど無いのですが、安心して頂く為にも、「既に起業済の方が、どのような理由で起業したのか?」という事を調べた結果を、ランキング形式でご紹介します。

また、それぞれの理由ごとに、起業を成功させる為に気をつけるべき点がありますので、そのポイントについてもご紹介します。

起業した理由のランキング

早速、起業した理由のランキングをご紹介しましょう。

以下が、起業した人を対象にして行われた、「どのような理由・動機で起業したのか?」というアンケート結果を集計したランキングの1位から10位となります。

1位 自由に仕事がしたかった
2位 仕事の経験・知識や資格を生かしたかった
3位 収入を増やしたかった
4位 事業経営という仕事に興味があった
5位 自分の技術やアイデアを事業化したかった
6位 社会の役に立つ仕事がしたかった
7位 時間や気持ちにゆとりが欲しかった
8位 年齢や性別に関係なく仕事がしたかった
9位 趣味や特技を生かしたかった
10位 適当な勤め先がなかった

※日本政策金融公庫総合研究所の「2021年度新規開業実態調査」より。2020年4月から9月の間に日本政策金融公庫国民生活事業が融資した先で、開業後1年以内の企業に行ったアンケート結果1467社分を集計したもの。

起業した理由のランキングから解ること

この10位までのランキングを、もう少しまとめてみると、「起業した理由」は、以下の5つの起業理由にまとめる事が出来ます。

  • 自分が望むスタイルで仕事がしたい(1位、7位、8位)
  • 自分が持っているものを活かしたい(2位、5位、9位)
  • 収入を増やしたい(3位)
  • 起業して経営者になりたい(4位)
  • 社会の役に立ちたい(6位)

おそらく、貴方が起業したいと考えている理由・動機も、この5つの起業理由の中にあるのではないでしょうか。

ですから、貴方が、今、どのような理由や動機で起業を考えていたとしても、それはおかしな事ではないのです。安心して、起業の準備を進めて下さい。

起業の理由によって違う注意すべきポイント

ただし、起業支援をさせて頂いている立場としては、それぞれの理由ごとに、注意して頂きたい点があります。ですから、以下では、前述の5つの起業理由ごとに、そのポイントをご紹介します。ぜひ、参考にして下さい。

「自分が望むスタイルで仕事がしたい」という理由で起業する場合の注意点

「働き方を選ぶ」という目標は、起業する事で無理なく実現できる目標の一つです。ですから、働き方に関しては、起業後、かなり高い確率で満足が得られるはずです。

ただし、貴方が目指している働き方が、その業界や業種の一般的な働き方と異なっている場合、様々なトラブルに遭遇してしまう可能性は否定できません。

やはり、既存の会社の仕事の進め方には、一定の合理性がある事が多いのです。また、他の会社の仕事の働き方と合わせないと、仕事を順調に進めづらい面もあります。

この為、自分が望むスタイルを実現させる為には、「それを実現する為の枠組み(仕組み)」を事前に構築しておく必要があるケースも多くあります(具体的に必要となるものは、ケースバイケースとなります)。

特に、自分が良く理解していない業種や職種で起業したい場合には、貴方が目指す働き方で本当にやっていけるのかどうか、事前に十分な調査を行うようにして下さい。

「自分が持っているものを活かしたい」という理由で起業する場合の注意点

「自分が持っているものを活かしたい」という理由での起業は、一見、成功しやすそうに思われがちです。実際、起業において、「自分が持っているものを活かす」という考え方は大切です。

しかし、実は、「自分が持っているものを活かせば、起業は成功するはず」と考えて起業したのに、失敗してしまう人は少なくありません。

そこには、「自分が持っているものに自信がある人ほど、起業に関する計画をしっかりと立てない傾向がある」という理由があります。

残念ながら、「貴方が、何か起業に役立つものを持っている」という事と、「事業を順調に運営できる」という事はイコールではありません。

ですから、自分が持っているものを活かして起業したい人は、まず、その事を十分に肝に銘じた上で、事業計画をしっかりと立てるようにして下さい。

もし、事業計画がしっかりと立てられない事に気付いた場合には、「起業後の運営に必要な知識や能力が、自分には足りていない可能性が高い」と認識するようにして下さい。その場合には、もちろん、起業までに足りないものを補うようにして下さい。

「収入を増やしたい」という理由で起業する場合の注意点

「収入を増やしたい」という理由で起業する場合で、貴方が経営に詳しい場合、その為の計画さえしっかりと立案・実行して頂ければ、特に問題はありません。

問題となるのは、貴方があまり経営に詳しくないにも関わらず、「起業すれば、今よりも稼げるだろう」と思ってしまっている場合です。

実は、「稼ぎやすそうに見える事業であっても、その事業で稼ぐのは難しい」というケースは少なくありません。

ですから、「自分が起業しようとしている事業で、本当に収入が増やせるのか」という事は、しっかりと検討した上で起業準備を進めるようにして下さい。

なお、起業する事業内容が未だ固まっていない場合には、起業するアイデアの検討を上手に進める事も大切です(起業するアイデアの出し方については、別に記事を用意しています:起業のアイデアの出し方)。

「起業して経営者になりたい」という理由で起業する場合の注意点

「起業して経営者になりたい」という理由で起業する人の場合、他の理由で起業する人と比べて、「やりたい事」が曖昧である事が多く、事業への執念も強くないケースが多いと言えます。

ですから、起業するまでの間に、「自分は、この事業を本当に続けていけるのか?」という事については、しっかりと自問するようにして下さい。

また、「自分は本当に経営者として必要な知識や能力が身に付いているのか?」という事についても、注意深く確認し、必要に応じた対応(自分に足りないものを補える体制づくりなど)を行った上で起業するようにして下さい。

「社会の役に立ちたい」という理由で起業する場合の注意点

「社会の役に立ちたい」という理由で起業する場合、まず、「どの程度、非営利性を徹底するのか?」という事は明確にしておくべきです。

どれほど崇高な理念があっても、残念ながら、お金の問題を避けては通れません。そして、「やりがいを感じられる仕事」の多くは、お金を稼ぎづらいケースが多いのです。

ですから、もし、その事業を営利企業として運営していくのであれば、「通常の事業で起業するよりも難易度は高い」と考えるようにして下さい。そして、「どうやって収益を確保していくのか」という事を、起業の準備段階でしっかりと固めておくようにして下さい。具体的には、誰が見ても納得するような事業計画を準備する事をお勧めします。

また、その事業を非営利事業として運営する場合も、運営資金を確保し続ける事は必要です。資金を確保し続ける為の計画をしっかりと固めた上で起業するようにして下さい。

更に、非営利の考え方を入れた運営をする場合には、様々な法人形態(NPO法人や社団法人など)から適切な形態を選ぶ必要がある事にも注意して下さい。適切ではない法人形態を選んでしまうと、資金確保がうまくいかなくなったり、運営コストが上がってしまったりする事もあります。

そして、後から、法人形態を変更する事は困難です。この為、この点についての検討もしっかりと行ってから起業するようにして下さい(専門的な内容となりますので、設立後の運営に詳しい専門家に相談する事をお勧めします)。

起業する理由に合った準備で悩まれている方へのアドバイス

以上が、起業した理由のランキングと、その理由ごとに注意して頂きたいポイントでした。

起業理由のランキングを確認して頂くと、「本当に様々な理由が並んでいる」と感じて頂けたのではないでしょうか。起業の理由は人によって様々で問題ありませんし、貴方がどのような理由で起業しようとしていても、成功できる可能性は十分にあります。

気をつけるべきなのは、起業理由によって違う、「貴方が失敗しやすいポイント」にしっかりと対応した上で起業する事です。それだけは忘れないで、起業準備を進めるようにして下さい。

なお、当センターでも、起業に関する相談を承っております。

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