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  • 定年後に起業する人が知っておくべき事は?起業例や注意点を解説!

定年後の起業

定年後に起業される方は増えています。以前とは異なり、定年後も働き続ける事は一般的になりました。そして、定年退職した後の働き方を真剣に検討する中で、起業するメリットに気付かれる方が増えているのです。ただし、定年退職後の起業には、定年後の起業特有の注意点もあります。

この記事では、「定年後の起業を検討されている方に知っておいて頂きたい内容」を解説しています。定年退職後に起業する事をお考えの方は、ぜひ、最後までお読み下さい。

定年後に起業する理由(メリット)

定年後に起業される方は、なぜ、定年後に起業するという道を選ばれるのでしょうか。それは、定年後の働き方として、起業には様々なメリットがあるからです。

具体的には、次のような点が定年後に起業するという道を選ばれた場合のメリットになります。

・定年後も大きな収入が得られる
・定年後も働き続けられる期間が長い
・やりがいのある仕事が得られる
・人間関係に悩まされない
・健康維持に役立つ
・新しい人的ネットワークが構築できる

以下、それぞれのメリットについて簡単に解説していきます。

定年後も大きな収入が得られる

日本では長寿化が進み、定年後にも年金以外の収入を必要とされる方は増えています。この為、多くの方は、定年後も何らかのかたちで働き続ける道を選ばれます。

しかし、通常の雇用での働き方の場合、定年後に良い給与で働き続ける事は容易な事ではありません。その点、起業した場合には、全く違う道が開けています。定年前よりも大幅に収入を上げる事が出来るケースすら珍しくありません。

この為、「大きく稼ぐ事で、老後の生活を豊かにしたい」と希望される方にとって、起業は魅力的な選択肢となるのです。

※定年後の生活資金についての分析を未だお受けになってない方は、別途、FPによる分析をお受けになる事をお勧めします(当社では、起業相談とセットで分析を行う事も可能です)。

定年後も働き続けられる期間が長い

定年後に組織に所属して働き続けても、通常、いつまでも働き続けられる訳ではありません。しかし、自分で起業した場合には、健康面の問題さえなければ、自分が働き続けたい期間だけ、働き続ける事が可能となります。

この為、「家にいても仕方がないので、働き続けたい」や「長く収入が得られる状態を続けたい」とお考えの方にとって、起業という選択肢は相性が良いのです。

やりがいのある仕事が得られる

定年後に仕事を探す場合、「やりがいを感じづらい仕事しか見つからない」とお感じになる方が多くいらっしゃいます。残念ながら、雇用主の多くは、定年後の人材を定年前の人材と同じようには扱ってくれません。

その点、起業した場合には、定年前のキャリアと同じ、または、それ以上のやりがいのある仕事を続ける事が可能となります。

人間関係に悩まされない

定年後も勤務先の組織に所属して働く場合、望まぬ人間関係に苦しめられるケースが少なくありません。残念ながら、定年後の人材との協業を歓迎しない人もいます。

その点、起業した場合には、人間関係を自分で選ぶ事が出来ます。一緒に仕事をするパートナーは自分で選べますし、通常、取引先も選ぶ事が出来ます。働き続ける上で、人間関係のストレスは大きいものですが、起業する場合には、そのストレスを自分で管理しながら仕事を続けていく事が可能なのです。

健康維持に役立つ

起業する内容にもよりますが、通常、起業すると毎日が新しい挑戦であふれる事になります。

この為、定年後に仕事以外に熱中したい事がなく、また、適度なストレスの中で定年後の人生を歩みたいと希望されている方の場合、起業によって、健康面でのプラス効果を期待する事も可能です。

新しい人的ネットワークが構築できる

多くの人にとって、人的ネットワークは豊かな生活を送る上で大切です。そして、起業した場合、通常、様々な人と関係しながら事業を進めていく事になります。

この為、定年後に人的ネットワークを広げられる目処がない方にとって、起業は人的ネットワークを維持・拡大する手段しても有望なのです。

定年後の起業例(起業パターン)

定年後に起業する例としては、大きく4つのパターンがあります。

・これまでのキャリアの延長線上で定年後に起業するパターン
・専門職として定年後に起業するバターン
・定年後に大成功を狙う起業をするパターン
・社会貢献を目的とした起業を定年後にするパターン

以下、それぞれの定年後の起業例について簡単に解説していきます。

これまでのキャリアの延長線上で定年後に起業するパターン

これまでのキャリアで得た業界知識を活かした起業は成功しやすい為、多くの方が選択されます。ただし、通常、これまでに勤めた会社の権利を侵害するような起業をする事は許されません。その点には十分に注意して起業するようにして下さい。

なお、前職の経験を活かしながらもトラブルになりづらい起業としては、「退職前の会社が止めるビジネス領域で起業する」という方法があります。

例えば、前職の組織に「撤退しようとしているビジネス領域がある」や「取引を止めた取引先がある」などの事情があった場合、それらの領域で起業すると、多くの場合で歓迎されます。また、リスクも低いのでお勧めです。

専門職として定年後に起業するバターン

大きな事業を立ち上げたくない方に人気なのが、「専門家として起業する」という道です。

前職時代に高い専門性を獲得されていた場合には、その専門性を活かしてコンサルティングを行ったり(例えば、生産管理のコンサルティングなど)、これまで専門性が高くなかった方であっても、これまでに得たネットワークを活かし、何らかの専門家としてサービスを提供したりする(例えば、資格を取った上で、FPや社労士のような専門家としてサービスを提供する)起業は人気があります。

退職前に獲得した強みと努力次第ではありますが、このような定年後の起業も失敗するリスクが低い起業と言えますのでお勧めです。

定年後に大成功を狙う起業をするパターン

その一方、定年後の起業であっても、若手の起業家と全く同じような考え方で起業される方もいらっしゃいます。すなわち、「将来性のある事業を立ち上げ、どんどん大きくしていきたい」という考え方での起業をされる方もいらっしゃいます。

若手と比べ、社会人経験が豊富な定年後の起業の場合、社会の仕組みが解っている分、「どのようなニーズに対応すれば事業が大成功できるのか」という事が解っているケースも多く、定年後にそのような起業をされる事は決して悪くない選択肢と言えます。

ただし、「体力や気力の面で、事業成功に必要な活動をしていけるのか」という点については良く考えて頂き、必要に応じ、何らかの対応を行う必要があります。

社会貢献を目的とした起業を定年後にするパターン

また、社会貢献を目的とした組織を定年後に立ち上げる方もいらっしゃいます。「定年後は金儲けとは関係ない生活をしたい」や「自分が完全引退した後も、皆から感謝される組織を残したい」といった考えをお持ちの方に人気があります。

この場合、NPO法人などの非営利団体の設立も候補となります。リスク管理さえしっかりと行った上であれば、そのような起業もお勧めできます。

定年後に起業する場合にお勧めの業種や職種

おすすめの業種や職種についてのアドバイスを求める方は多くいらっしゃいますが、前述の通り、定年後の起業と一言で言っても様々な起業パターンがあります。この為、定年後に起業する場合にお勧めの業種や職種は人によって異なります。定年後の起業について、一律で、お勧めの業種や職種というものは存在しません。

もちろん、成功確率が高い起業は、これまでのキャリアで馴染みのある業界や職種と関連した事業内容での起業です。ただし、これまでのキャリアで得られた強みを活かして起業されるのであれば、これまで縁の無かった業界や職種で起業する場合であっても、成功確率が低くなる訳ではありません。

ですから、起業する業種や職種についてお悩みの場合には、まず、「ご自身のキャリアとの相性が良い業種や職種」や「ご自身が熱意を持って取り組める業種や職種」を検討する所から始める事をお勧めします。なお、起業する内容で悩まれた場合には、専門家への個別相談もお勧めです。

起業する年齢の限界についての誤解

健康でさえあれば、何歳であっても起業する事は可能です。「起業する年齢の限界」といった事を気にされる方がいらっしゃいますが、年齢を気にされる必要は全くありません。

もちろん、起業は決して楽なものではありませんので、体力・気力が充実している間に起業してしまった方が良いのは確かです。ですから、起業すると決めているのであれば、少しでも早く準備を始め、定年と同時に起業、または、定年前であっても準備が整い次第、起業する事をお勧めはします。

しかし、起業で必要となる作業については、専門家に任せてしまう手もあります。ですから、起業後に問題無く事業運営していけるのであれば、何歳であっても起業する事は可能です。起業するのに遅すぎるという事はありません。

定年後の起業ならではの注意点

ただし、定年後に起業されるのであれば、必ず、押さえておいて頂きたいポイントがあります。

それが、「起業に使って良いお金をしっかりと把握しておく」というポイントです。

若者の起業であれば、起業に失敗したとしても、また、就職して働いた上で起業に再チャレンジする、という道もあります。この為、手持ちの資金を全て使って起業するような事も可能です。また、失敗した場合の事を想定しておく必要性も、そこまで高くはありません。

しかし、定年後の起業の場合、そのような道は残されていないのが通常です。

その一方、過去に事業運営経験があるような方を除き、起業に必要となる経営リソース(特にお金)が事前に正しくイメージできる方は稀です。多くの方は、必要となる経営リソースが良く解らないまま、起業に向けて歩み出されます。

その結果、「ずるずるとお金を使い、気が付くと多くのお金を起業に注ぎ込んでしまう」という方が少なくありません。そして、起業が成功する前に資金が枯渇してしまうケースもあります。その場合、老後の生活に支障を来してしまう事にもなりかねません。

ですから、定年後に起業される場合には、「自分が起業に投じて良い経営リソース(主にお金)は、どのくらいであり、その経営リソースの投入のみで、本当に起業を成功させる事が可能なのか」という事だけは、しっかりと分析した上で起業に取り組んで頂きたいのです。

なお、当社で定年後の起業についての相談をお受けした場合には、ファイナンシャルプランナー(FP)による分析によって、定年後の生活の為に残しておかないといけない財産を把握し、その上で起業についての支援を提供させて頂く事もあります。

定年後に起業する場合の準備について

では、具体的に、どのような事に気をつけながら、定年後の起業の準備を進めていけば良いのでしょうか。

まず、前述の通り、起業に投じて良いリソース(主にお金)はしっかりと把握した上で準備を進めべきです(お金がかからない起業をされる場合でも、予想外の支出が発生するケースもありますので、念のため、把握はしておくべきです)。

また、準備を進める上では、過去、どれだけ会社員や公務員として優秀な方であったとしても、「自分が起業に必要な知識を持っている」とは考えない事が大切です。

組織の一員として活動する際に求められるスキルと、事業を立ち上げたり運営したりする為に求められるスキルは大きく異なります。ですから、「自分だけで全て出来るはず」という考え方で起業してしまうのは危険です。

そして、定年後の起業は、基本的に、「絶対に想定外の失敗はしない」という事が大切になります。この為、様々なリスクを想定し、それらリスクに対して十分すぎるほど配慮しながら起業の計画を立て、準備を進めるようにして下さい。

その為に、出来れば、起業の全体像が分かっており、更に、定年後の起業特有のリスクにも詳しい専門家のアドバイスを受けながら準備を進める事をお勧めします。

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