起業相談の具体例/起業支援による価値
起業を成功させる為に必要な支援内容はケースによって様々ですが、具体的なイメージを持って頂く為に、いくつかの例をご用意しました。
準備の段階やお困りの内容にかかわらず、起業相談を活用して頂く事は可能です。
これらの例から、起業相談を身近に感じて頂ける事を願っています。
甘い事業計画によって起業を失敗させない
起業予定者の多くが持つ甘い事業計画
起業相談を受けるメリットの一つは、「外部の視点で、事業計画をチェックして貰える」というものです。そして、かなりの数の起業予定者が、そのチェックの結果、「計画が現実的ではない」という指摘を受ける事になります。
起業予定者の多くは、事業計画の必要性を理解しています。しかし、その根幹とも言える「数字(業績予想)の部分」においては、必ずと言って良いほど、「適切なリスクが加味されていない」「楽観的すぎる前提がおかれている」といった現実があります。
こうした指摘を早期に受け、計画の修正などの対応を取る事は、起業者にとって極めて大切です。もし、指摘を受けることなく起業を実行してしまった場合、起業はかなり高い確率で失敗し、被るダメージは大きなものとなります。
こうした点についての相談事例として、「小売店での起業を予定している男性」の事例を紹介させて頂きます。
甘い事業計画を持つ起業予定者からの相談と支援
事業計画に自信がある起業予定者の現実
その起業予定者は、消費者向けの店舗を開く事を計画していました。
彼は、仕事の傍ら、起業の準備を続けてきており、仕入先の開拓、開店場所の確保、開業資金の確保などを済ませていました。事業計画についても、しっかりとしたものを作成済でした。
彼は、自分の事業計画に自信を持っており、起業支援を必要とは感じていないようでした。ただ、周囲に勧められて、「参考意見を聞きたい」というくらいの気持ちで起業相談を受けたようでした。
しかし、事業計画を精査させて頂くと、多くの起業予定者が抱えるのと同じ、「事業計画の問題点」が見つかりました。すなわち、「その事業計画は甘すぎた」のです。
事業計画についての陥りがちな問題点
その事業計画に含まれる数字は、確かに根拠もしっかりと示されており、一見、良く検討された予想に見えるものでした。しかし、実は、何重にも「適切ではない前提」が置かれており、数字は実現不可能なものでした。
例えば、彼が比較対象に挙げていた既存の他店舗の集客は、大規模な宣伝キャンペーンによって達成されていたものでした。彼は、それと同様の集客を自店舗でも予想していましたが、その為の宣伝費用は計上されていませんでした。
また、商売の性質上、「一定比率で発生する売れ残りの処理」や「定期的な店内の改装」は必須と予想されましたが、そうした要因による費用の反映も全く不十分でした。
彼には、こうした問題点を一つずつ説明し、数字を大幅に見直す必要性について納得して貰いました。
起業予定者が避けてしまう失敗時の予想や対策
また、彼は、計画が下方修正された場合のシミュレーションを一切していませんでした。
しかし、精査してみると、彼の計画には資金的な余裕がなく、月間の売上が少し予想より下回っただけで、店はすぐに閉鎖しないといけなくなるようなものでした。
彼には、そうしたリスクを理解して貰い、事業計画を一緒に見直す事にしました。結果、事業規模を縮小させ、初期投資の金額は抑える事になりました。また、計画されていた商品ラインナップの一部を見直す事で、在庫リスクの低減を図る事にもなりました。
ただし、彼が他店舗との差別化要因と考えていた部分は変更せず残し、また、将来の追加出店の可能性を計画に含めることにしました。そして、その店では、彼が当初考えていた商売がそのまま実現出来る可能性を残しました。
甘い事業計画を持つ起業予定者を成功させる方法
起業予定者の事業計画が甘くなりがちな理由
起業予定者が甘い事業計画の数字を作ってしまうのには、理由があります。
まず、起業予定者の多くは、自分が立ち上げようとしている事業に思い入れがあります。結果、現実のニーズ以上に、その事業についてのニーズがあると思い込んでしまいます。
また、その事業を行うのに必要なコストやリスクについての知識が不足している事も多いようです。その事業分野についての経験自体はあったとしても、経営者側の立場で関わっていないと、数字を組み立てる上で必要な知識は身に付いていないものです。
また、「事業が成立するように数字を組み立ててしまう」といった誘惑に負けてしまう起業予定者も多いようです。利益が残るように経費を見積もってしまったり、売上を予想してしまったりするケースは本当に多いのです。
甘い事業計画をどう修正するか
事業計画を見直す方法には、様々なものがあります。しかし、起業支援においては、私たちは、「起業予定者自身に、現実を理解して頂くこと」、そして、「起業予定者自身が現実的な事業計画を作れるようにすること」を心がけています。
実は、こちらで数字を修正してしまう事は可能です。しかし、起業を成功させる上では、起業予定者自身が、自分の事業計画を十分に理解しているべきだと考えるからです。その為には、事業計画を作成する主役は、やはり起業予定者自身でなくてはなりません。
事業が始まった後も、事業計画を見直す作業は発生します。また、事業計画を利害関係者に対して説明出来る事も、信頼される事業を運営する上では必要です。こうした時に、事業計画についての理解力は問われるのです。
起業予定者の希望を尊重した事業計画の修正
私たちは、起業が成功する為の条件の一つは、起業予定者が抱えている「事業に対する強い思い」を否定せず、むしろ、それを強く持って頂く事だと考えています。
この為、本人が事業に対する情熱を失ってしまうような「事業計画の修正」は無意味だと考えています。
勿論、成立できる事業にする為に、事業計画の根幹を修正しなければならない場合はあります。しかし、そうした場合でも、起業予定者が持つ「事業を立ち上げたいと考えていた理由」や「元々の事業計画に将来的には近づけていける可能性」を否定しないようにしています。
私たちは、それが起業を成功させる事に繋がると考えています。
甘い事業計画を持つ起業予定者に対して提供出来る価値
これまで経営に携わった事がない起業予定者にとって、事業計画を立案するという作業は難易度が高いものです。また、経験者であっても、自分自身が立ち上げようとしている事業について、「思い込みに捕らわれない」「適切なリスクを加味する」といった事を実践するのは困難です。結果、起業予定者が作成する事業計画は現実的ではないものになりがちです。
しかし、こうした問題は、「第三者の専門家の視点」を入れる事で改善が可能です。
それによって、事業計画のリスクがチェック出来る事は勿論ですが、第三者を含めて改善の為の議論を行う事は、自分の事業計画をより深く理解する事にも繋がります。そして、それは起業後の事業運営にも役立ちます。
どのようなケースであっても、起業メンバーだけで事業計画を作るのではなく、事業を外部から冷静に俯瞰する事が出来る専門家に相談する事には、大きな価値があるのです。そして、私たちは、その価値を提供していきたいと考えています。
ぜひ、相談の必要性を感じていらっしゃらない場合であっても、「事業計画について相談する事で、起業を失敗させない」という道を選んで下さい。
※起業の成功に必要な要素は、その事例ごとに大きく異なります。この為、類似の案件であっても、必ずしも同様の結果をお約束出来る訳ではありません。また、上記内容は、当社の起業支援による価値をイメージして頂く為のものであり、当社メンバーが関与した他サービスの提供による結果が含まれている場合があります。